システム開発部の月月です。
今回は『Project Guideline』についてお話します。
Project Guidelineとは、視覚障がいを持つランナーが伴走者の助けなしに一人で自由に走ることを目標としたGoogleの研究開発プロジェクトです。
Project Guidelineは画像認識技術を用いて、地面に引かれた線を見分けます。
そして今ランナーが走っている位置を瞬時に判断し、音声でランナーに伝えます。
その音声により、ランナーは線から外れることなく走り続けることができるという仕組みです。
こうした仕組みは2023年にオープンソースとして公開され、
主に視覚障がい者向けのアクセシビリティ分野に取り組む方々が利用しやすいようになっています。
Project Guidelineではその実用に向け世界各地でテストを重ねており、
日本でも今年、横浜にて複数回に渡る体験会を開催中です。
過去にはこの技術を用いて、視覚障がいを持つランナー6人により42.195kmの駅伝レースを完走した実績もあり、
ハンディキャップを持つ方々にとって世界を広げる大きな助けとなっていることは間違いありません。
このような技術が進歩している大きな理由として、スマホの処理能力向上が挙げられます。
撮影、画像・空間認識、音声の出力といった機能を軽量なスマホが一手に引き受けてくれるため、
ランナーの走行を阻害することなく快適に走ることが可能となったわけです。
AIやARといったソフトウェア技術と高性能スマホというハードウェア技術の結晶が、
『Project Guideline』と言えるでしょう。
それでは次回をお楽しみに!